言わないというコミュニケーション

言いたい、言えない、だから言葉が出てこない

先日、受講生の方とトップガンマーヴェリックの話になりました。

その時点では私はまだ映画を観ておらず、
観る予定があるかどうかもお伝えしていない状態。

その方は一生懸命、トップガンマーヴェリックの素晴らしさを
語ってくださいました。

語らなかった、とも言えます。

私がまだ観ていないということに配慮して、

「えーっと、えーっと、すごいんですとにかく」
「あ!そうだ!…いやこれはネタバレになりますねダメだ…」
「待ってくださいよ、まずはオープニング…は言ってもいいかな…」

と、もにょもにょしている時間、
そのご様子だけでトップガンマーヴェリックが
どれほどその方に影響を与えたのかがわかります。

言えるカッコよさ以上の、言わない誠実さ

よく「映画や小説の感想をうまく伝えられない」と
ご相談をいただくことがあります。

相手が興味を持つようにわくわくするように
ネタバレを避けながら内容をお伝えできればベストなのでしょう。

ですが、

「どうしよう、どう言おう」
「言いたい、言わないほうがいい」

と戸惑う様子そのものが
とても美しいコミュニケーションだとも思うのです。

映画や小説の話に限らず、
葛藤して言葉が出なくなるのは
相手のことを思いやっているから。

その心遣いはお互いの間を埋めてくれます。

思いをはっきりと口にできることが
カッコよく見えたり憧れられる風潮がありますが、

言わなくていいことを言わないという誠実さ

というコミュニケーションも
忘れないでいたいなと思います。

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